義務教育・基礎教育を十分に受けることができなかった方に教育する夜間中学として、30年以上の実績を誇る「札幌遠友塾自主夜間中学」そして札幌市立で開校した「星友館中学校」が注目されている。戦後の混乱期には、家の仕事・家事の手伝いや、幼いきょうだいの面倒をみるなどで、学ぶことができなかったという方もいるそうだ。国勢調査によると、こうした方が北海道には58444人もいて、星友館中学校には10歳代~80歳代まで各世代の生徒さんが在籍しているらしい。

 しかし、こうした困難は果たして過去のことになっているのだろうか。北海道の高校は長年にわたる統廃合政策により地元に高校が無い地域も多くなった。そうした地域でも経済的困難を抱える家庭、不登校の中学生はたくさんいる。いや、地域格差が拡大により、地方こそそうした困難を抱える家庭は多いはずだ。

 そんな中、「お母さん、ボクのために必死に働いているんだから、中学校でも満足に通えなかったボクが遠くの高校に無理して通わなくてもいいよ。」という会話が全道に広がってはいないだろうか。南茅部高校の募集停止の記事を見て、そこに住んでいるという理由だけで学習保障がままならない若者が増えないか心配になった。小規模校の募集停止には断固反対だ。