6月末から8月。沖縄戦終結の日から原爆の日、そして終戦記念日にかけて戦争をテーマにした番組がたくさん放送されます。はだしのゲンを何度も読んで育ったからか、手塚治虫の作品を何度も読んだからかは分かりませんが、戦争に関わる話は興味があり、教壇に立っていて何か少しでもそのことを生徒たちに伝えられないかと考えます。若い頃から8月の番組は録画し、だいたい一通り見ます。妻にも「戦争好きだよね」と言われますが、「好きか」と言われるとそうでもないような気がします。「知らなければいけないこと」そして、後世に「伝えるべきこと」の様な気がします。その手の番組を見るのが妻はあまり好きではないので、子ども達も好きではありません。もう大人になった子ども達はどうしてボクが戦争の番組をよく見るのかも知らないし、子ども達は一緒に戦争の番組を見ることはほとんどありません。「親父はやたらと戦争の番組を録画して見ている」そのことだけを知っています。生徒には戦争のことを良く語るボクが、自分の子どもには何も伝えられていない。そのことは残念ではありますが、自分の子どもだけが未来を作っていくわけではないし、戦争を語り継ぐわけではありませんから、自分の思いを伝えられる、そういうお仕事に就けているだけ幸せです。でも、ちょっとでも戦争のことを息子達に語る先生がいたら、ボクと一緒に戦争の番組を見る子ども達の姿があっただろうとも思います。学力重視といいながら、本当に大事なことの一つを伝えていない教育って何なんだろうと思ったりもします。また、この時期に録画をしていると、民放は15年くらい前からほとんど戦争を取り上げなくなったことに気づきます(NNNドキュメントくらいかな)。NHKもかなり激減してきている感じはありますが、さすがNHK、良い番組は必ずあります。元同僚から「昔はおれと同い年だった田中さんとの友情」という番組を見ましたか?と昨日聞かれました。見ていなかったので早速見てみました。戦争体験を通じて小学6年生と81歳との友情を描く物語です。戦争講話に小学校に招かれ、「軍国少年だったのに、なぜ戦争はダメだって言えるんですか?そんな簡単に考えが変わるものですか?」と質問されたときの返答は素晴らしかったです。この返答に興味のある方はそのうち再放送がされるでしょうから見てください。同じように、命の尊さを感じさせてくれる番組を通勤時に見てきました。昔の番組をNHKが振り返る「時をかけるテレビ」という番組がボクが知る限り2度ほど放送されているのですが、これが2回とも素晴らしかった。1回目は「80歳の決着~元兵士達の日米野球~」です。これは地下鉄で見ながら泣いてしまいました。みんなスマホばかり見ている時代でなければかなり恥ずかしかったです。昔は敵同士で戦った日米の兵士が野球で交流するお話です。「今度こそ勝つ!」と意気込む大和魂丸出しの日本チームの選手の気持ちが変わっていく姿は見物でした。2回目は今日の通勤時に見ました。「課外授業ようこそ先輩~みんな生きていればいい 福島智~」です。全盲ろうの福島さんが、子ども達から「今までの人生で一番幸せだったことはなんですか」と聞かれました。この質問は実はありそうでない質問だそうです。そこでとっさに考えて「今生きていることです」と答えたシーンにものすごく考えさせられるものがありました。戦争を否定できるのは「命への尊厳」なんだろうと改めて感じさせられました。そういう意味でつながる3つの番組でした。もし、録画をみたいという先生がいたら連絡ください。
11月3日の合同教研の講演テーマは「戦争を掘り起こす」~「記者がたどる戦争」にかける想い~です。北海道新聞に「記者がたどる戦争」という特集記事があるのですが、この特集で伝えたいこと、これまでの記事で見えてきたことや記者としての気づきなどを語ってもらう予定です。ぜひ、ご参加下さいね。
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