最近はハイブリッド車や携帯の電池など、リチウムイオン電池がいろいろなところで活用されるようになった。リチウムイオン電池は大容量の電気を何度も充電できるのが最大の長所。

 リチウムは原子番号3番。周期表では一番左の列の水素の下にある。この列にある元素はアルカリ金属(Li・Na・K)と言って、単体では自然界に存在しない。実験室の薬品にある単体は水と反応して水素爆発するのだけれど、初任の頃は生徒と一緒にグラウンドに出て15m以上離れて取り囲み、ナトリウムの単体を水の入ったドラム缶に3cmほどぶちこんで大爆発させて喜んだりしていた(今はそんな事できない)。15秒ぐらいすると水柱を上げて爆発する。もんじゅという高速増殖炉では冷却に使っていたナトリウムが漏れ出して大火災になった事もある(1995年)。だからアルカリ金属を電池に使うのは安全性の管理が難しく、使い捨てのマンガン乾電池の登場からアルカリイオン電池に変わっっていったのはそんなに歴史が古くない(2003年くらいから)。そして、アルカリ金属でも一番たちの悪い「リチウム」を電池にしたのは最近のことで、近年の技術革命の一つだ。しかし、危なすぎるから航空機でも荷物検査が厳重だし、交通事故でハイブリッド車の電池に火がついたら大変なことになる。安全検査で不正を行ったダイハツ自動車工業は今、HP上ででかでかと謝罪文を出しているほどだ。

 ところで、みなさんはリチウムイオン電池を長持ちさせる充電方法をご存じだろうか。リチウムイオン電池は充電中の使用を避け、20%~80%に保つことが重要だ。といっても携帯電話を持つと、わかっていてもこれができない。充電中に操作をしたくなることもあるし、すぐ100%にしたくなる。寝るときに充電したら必ず100%になってしまう。こうなると携帯電話の電池寿命は2、3年くらいになってしまう。

 話は変わるが、ボクは今、組合専従として2年半になるが、組合運動はどうもこんな感じが多い。常に100%で活動してしまう。そうするとだんだんと電池のように劣化していく。電池のように古くなれば取り替える(専従や支部専門部役員を入れ替える)ことができた時代はいいが、今はそうはいかない。替えが効かない。リチウムイオン電池と同じように、100%で活動しないこと、ゆっくりまめに充電をすることを意識した方がイイと感じている。

 では組合活動の充電とは何か。ボクは組合活動の充電とは心を充電することだと思う。「いつも心に太陽」を持っていられる様にすること。そういう組合活動を重視した方が今はいい。9月2日に行った分会ビッグレインボーは80名近くの参加者が集まり、元気になったという声がたくさん聞けた。お世話活動の重要性について発言した鈴木さんは、会が終わってすぐに一緒に発言した人たちに残暑見舞いのお手紙を発送していた。これは心の充電になる。ボクは鈴木さんのこの取り組みが、ぜひ組合内ではやって欲しいと思う。鈴木さんのお手紙が届いた人はぜひ3倍にして別の人にお手紙を出して欲しい。この取り組みをボクの大好きなイチローになぞらえてM51(ミッション51)と名付けたいが、M51がどんどん広がらないかと妄想している。

 教師業に例えれば、放電は授業、充電も授業が理想だ。成績処理や、企業との連絡。くだらん会議、やりたくない部活、試験監督や模試監督なんかに放電するとすぐくたびれたリチウムイオン電池みたいになる。充電も授業での生徒の笑顔が無ければ、アフターファイブでしか充電の機会が無くなる。アフターエイトになっている状況ではこれもままならない。「放電は授業、充電も授業」これは大好きなマイケルジャクソンになぞらえてMJ(ミッション授業)と名付けたいが、これもなかなか広まらない。

 あ、そうそう。ボクの車はティッシュ箱の半分くらいのリチウム電池を搭載していて、充放電のデータが表示されるのだけど、ずーっと20~80%の充電量を維持するようにプログラムされている。販売会社の説明だと、車の寿命と同じくらい持つそうだ。携帯の電池が100%になるようにプログラムがされているのは、きっと電池の寿命が早く来るようにして買い換えを進めるためだとボクは勘ぐっている。

  写真は本部飯。家庭菜園の野菜が多め。


(23年前、今日は娘が生まれてとても嬉しかった日に)