2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻し、ミサイル攻撃や地上軍を投入してウクライナ全土を攻撃しています。この侵略行為により子どもたちを含む多数のウクライナの市民が死傷し、国外への避難を余儀なくされるなど重大な人権侵害が起きています。

 北海道の高校生もTwitter上のミサイルの映像を見て、「先生、この下に人がいるの?」「戦争ってホントに起こるんだね」と胸を痛めています。「SNSで発信することは簡単にできる。でもそれだけでいいのかなと思って1人でも意思表示をしているよってことを示したいと思った」とロシア領事館前に1人でスタンディングしている高校生もいます。

 ロシアの行為は、国際法違反の主権国家への軍事的侵略であることは明らかであり、20世紀の2度の世界大戦の惨禍の経験を通じて国際社会が築いてきた平和秩序を破壊する暴挙です。さらにプーチン大統領が、ロシアは核保有大国であると繰り返し述べ、その先制使用にまで言及していることは、核兵器廃絶にむかう歴史の潮流を無視する許しがたい行為です。

 3月2日、40年ぶりに開催された国連総会緊急特別会合は、ロシアを非難する決議を141カ国の賛成多数で採決し、ロシア軍の即時、完全、無条件の撤退を求めました。国際社会によるプーチン政権への断罪です。

 さらに3月4日、原発の関連施設を砲撃するという危険きわまりない攻撃が報じられました。万が一にも原子炉が破壊されれば、福島原発やウクライナのチェルノブイリ原発の重大事故をはるかに超える放射能による世界規模の大惨事につながる危険があり、人類全体の生存を脅かす犯罪行為です。

 いま世界でわき起こっている「戦争やめろ」の声は、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とした日本国憲法の精神と一致するものです。さらに日本は唯一の戦争被爆国であり、日本政府は、ロシアの侵略行為と核兵器による威嚇を厳しく批判するとともに、「軍事力では紛争は解決しない」「核兵器を使用するな」と世界に発信し、平和を構築するために国際社会の団結と連帯を図るべきです。

 私たちは、戦後、「教え子を再び戦場に送らない」ことを運動の柱に据えてきました。今回のロシアによる戦争行為に対して、世界中の平和を求める人々と連帯し、ロシア政府に対して強く抗議し、ただちにウクライナから撤退することを求めます。

2022年3月5日  北海道高等学校教職員組合連合会  第124回定期大会

NO WAR 三角錐(印刷して、自分で作ることができます。)