北海道通信によると、道高校長協会(廣田定憲会長)は1月11日、3年度後期研究協議会・全国高校長協会北海道ブロック研究協議会でこう語った。
1人1台端末や観点別評価、働き方改革などの課題を挙げ「英知を結集し、一枚岩となって迫りくる課題に立ち向かっていこう」
迫り来る課題という表現がすごい。働き方改革が本当に進むのならば、その他の課題もやる余裕が出てくるとは思うけれど、働き方改革も迫り来る課題の1つに挙げられているのはブラックジョークの様だ。そして次の様にも語っている。
「教育には夢とロマンが大事。校長を目指していたころの志を思い起こし、理想を失うことなく、攻めの姿勢で学校経営にまい進していただきたい」
つまりのところは校長をやっていると教育に対して「夢やロマン」を抱くのは極めて困難であり、「理想」は失うもので、学校運営は守りに入ってしまうものだと言うことがにじみ出ている。そもそも教育に「夢やロマン」を抱いている人が校長になっているかどうかは置いておいて、それは明らかにおかしい文科省や道教委の教育政策を鵜呑みにして現場に押しつけてきたせいでしょ、と思っちゃうのだが、教育行政に文句も言わず、夢を大事にし続けた野球審判の講演をこのあいさつの後に聞いたらしい。精神論・根性論に頼ってしまうところがすごい。
現場はもう一人一台端末や観点別評価に正面から向き合う余力などほとんどない。特に教務担当者に死人が出ても不思議ではない。
年頭あいさつで廣田定憲会長は「校長と教員との信頼関係が大切」とも語っているが、新しい課題に立ち向かえば立ち向かうほど、教員との信頼関係はますますますます乖離していくことだろう。
あ、唯一の解決策がある。
それは働き方を改善することだ。
一刻も早く、名前は定かでないが「交通安全宣言?」や「体罰申告書?」、さらには授業時数確保の異常な押しつけなど、教員を信頼していないとしか思えない管理を辞める。教員を増やす。こうしたことをしっかり校長会として道教委に訴えることぐらいはできないのか。「夢やロマン」以前にまずやってみろと言いたい。
写真は今年の職場飯です。