あけましておめでとうございます。
今回は年はじめですので、高教組加入の訴えをさせていただくことにしました。
組合費は給料の約2%です。消費税よりだいぶ少ないです。あなたの大事なお金の一部を、私たちと共に活動するために使いませんか。これがあなたのドライスーツになるはずです。いきなりお金の話はしたくないのですが、お金に換えられないことがあるのでお金の話からです(笑)私たちの勤める「学校」。かつては魅力にあふれた職場でした。「熱中時代」「中学生日記」「金八先生」「スクール☆ウォーズ」など同世代なら誰もが共通の話題にできる学園ドラマが流行った時代がありました。それは教師という仕事が子どもたち一人一人の人生に大きな影響を与える魅力ある仕事だったからです。金八先生は「家庭」がよく描かれていました。家庭があって学校がある、それは当たり前だった時代がありました。
今の学校(高校)はどうでしょう。生徒の成績ばかり見て、どこに進学できるだの、就職できるだのとそんな話ばかりしていないでしょうか。本人の成長よりも他人とばかり比べ、生徒の家庭は見ないようにしている。だから、わざと「おう、君んとこの母さんは元気か。」「お前んとこの犬は元気か。」なんて話をするとめちゃくちゃ生徒との距離は縮まったりするわけです。ぜひやってみてください。こんなくだらんことで、生徒から、「先生だけはなんか違う」なんてステキな言葉をいただけます。それは昔の校長もそうでした。「嫁さんとうまくいっているかい?」「子どもは元気に育っているかい?」「子どもは中学生になったか?」という会話のできる校長も沢山いたのものです。今は「セクハラに気を付けましょう」「○○を提出してください」「夏休みも出勤です。休む場合は年休を取りましょう」「飲酒運転はしないように!」などと「自分の責任回避かよ!」と思うような発言しかできずに校長室に引きこもってカリキュラムマネジメントにいそしむ管理職ばかり養成されています。おっと話がそれました。昔は教育も魅力がある仕事だったという話でした。
しかし今、文科省が始めた「♯教師のバトン」プロジェクトでの炎上に見られるように、生徒にとって『魅力ある元気な先生』でいることは非常に困難な状況が生まれています。何がこのような状況を生み出したのでしょうか。新自由主義やそれに基づく政治が根っこにあることは間違いありません。しかし、教員にとっては研修権が侵害されたということが最も大きいのではないでしょうか。
教師にとって真に主体的な研修は命です。そのための夏休み、冬休み、テスト期間などでの自分だけの時間が保障されていました。その時間を使った自主的で主体的な研修によって、豊かな人間性が育まれたり、新たな気づきが生まれ、「授業づくり」や「学級づくり」「行事づくり」に生かされていました。しかし、今では「忙しすぎる」ことが「学ぶ時間すらない」という状況を生み、悪循環が学校の魅力を日々奪いつつあります。生徒との信頼関係も遠のくばかりです。まさに学校という『泥船』に乗っているような状況がここにあります。こうした状況で、自分だけ元気な先生でいることは年々困難になっています。どんどん職場の活力は失われ、休職者も増え、教員のなり手も無く、元気であればどんどん仕事が回ってきます。担任や部活の顧問を持ちたがらない教員を批判する分断も生まれています。ここにはもう、自分だけではどうにもならない問題があるのです。そして、当然のことながら文科省・教育委員会任せではどうにもならないのです。いい殿様(文科大臣・校長)になればなんとかなるというたぐいのものではないのです。私たちには仲間と共に学び、魅力のある授業をし、仲間と共に間違った教育行政には「ふざけるな!」と怒りのNo!を突き付ける存在が必要ではないでしょうか。それが北海道高教組でありたいと私たちは思うのです。
私たち北海道高教組は労働組合ですから、賃金の向上に向けての交渉はもちろん、権利を学び、権利を使うことを応援します。働き方や、学校の制度などで「おかしいな」と思うことを相談できます。不当な扱いを受けた時に、労働者としてたたかうことができます。困ったときには組合員に相談すれば助けてもらえます。役立つ社会・教育の状況を学べます。話ができる、聞いてもらえる交流の場があります。校種が違う教職員と交流ができます。子どもを大切にした実践をしている教職員に出会い学べます。全国・地域の教職員が集まる学習会に参加し、多くの実践を学べます。これが私たちの酸素ボンベになります。
まずみなさん、「あー、もうやってらんねえ」という前に、今の職場の状況に本気で怒りませんか。自分と自分たちの職場を守りませんか。職場を守り、そして学びあうことで「子どもを大切にするとはどういうことか?」と考え続けることが、教職員としての人生を満足したものにできるんじゃないでしょうか。まず怒り、学ぶことで「あー、先生をやっていてよかった。」と思える時がたくさん来ると思うのです。
思わず熱が入りすぎました。やらかしました。なにか“組合に入ること=なにかハードルが高いこと”のように思わせたかもしれません。もし「こんな教員生活は思い描いていたのと全然違う!」とポンプを外された金魚のようになっているあなたがいるとしたら、私たちはひょっとしたら力になれるかもしれません。いや、あなたの力をお借りして、この状況を変えていきたいと思うのです。
新年はのどごごし良く、そばからスタートです。(2022.1.5)