5月21日、来年度に全道の高校で導入される予定の「一人一台端末」に関する学習会を実施しました。北海道

は保護者負担です。話題性があるテーマだったからか、20人ほどの参加者がありました。

最初はT高校での情報担当者H先生によるPPTでの発表から。これがめっちゃポイントが抑えられていてわかりやすかった。「保護者負担の文房具としては高価すぎること」「壊れたらどうするの?」「若い先生にばかりICT担当が…」などという課題が指摘され、次のような設定や準備が必要なことが書かれていました。

『初期設定・アプリの管理・各マニュアル作成・業者対応・管理職対応・生徒対応・使用予定アプリのヒアリング・運用規定の作成・Wifi接続切替・故障対応・クレーム窓口・クラウドの管理・技術的な相談・実践報告・研修企画・保管場所の設定・充電…』
 
 自分がやるだけならできるかもしれませんが、学校の担当者になると大変ですね。
 道教委は『全教員が学習の基盤となる資質・能力である情報活用能力を確実に育成するためにも、1人1台端末を授業等で確実に活用することが求められています。』とICT機器を使いこなせるようにという指示をしています。確実に活用なんて押しつけはいかんですね。「君たちバイクは便利だから必ず全員が免許を取りなさい!」なんて言われたら腹が立つでしょう。自転車が好きな人もいるし、ゆっくり歩いているからこそ見える風景もあったりするのです。
 実際、端末が配布されている小中学校では、もうすでに教員の分断が起きているという報告もあります。ICTを使える教師と使えない(使わない)教師で、使えない教師は立場が狭くなっていく様な感じがもうすでに起き始めています。
 この会はボク自身めちゃくちゃ面白かったのですが、それは「どんどんICTをつかっちゃおう!」という3人の達人が参加してくれたことでした。どちらかというと組合のICTに関する議論は批判一色になりがちなんですが、いろんな先生がいていい。いろんな味で勝負できる先生がいる。それも大事なことです。みんなが味の素で味噌汁を作ったら家庭の味がなくなるじゃないじゃないですか。

 もちろんICTに詳しい先生は組合以外にもいるでしょう。でも、今回参加してくれた先生はみんな子どもの方を向いた議論をしていました。良い授業実践をしたいという意欲に満ちていました。

 誰もがICTを使えばいいってもんじゃないし、ICTのすばらしさも理解しておくべきだなと思ったのでした。子どもたちにとって「良い学び」になる授業のために。(5.31)