名寄地区合同教研に行ってきました。

特急に乗り、12:40に名寄に着くと外は吹雪いていました。寒い。名寄の地に降り立ったのは初めてです。会場の名寄市民文化センターまでは2km。20分くらいの距離でしょうか。最初はコンビニで何か買おうと思っていたのですが、ボクは食べるのが速いのでラーメン屋さんに寄ってからでも間に合うなと思ったのが間違い。出てくるのに20分かかり、食べる時間はほとんどありません。半分ほど残して慌てて会場までタクシーで行きました(完食したかったのに・・・。)。そして5分前に到着。

 会場に着くと25名くらいの方の参加でしょうか。若い先生もたくさんいますし、地域の方も来られています。今回の合研はヤングケアラーが主題です。「みつける、そうだんする、つなげる」というタイトルで、高教組の本間康子さんと、札幌市子どものくらし支援コーディネート事業をしている沢村紀子さんがZOOMで講演しました。30代の前半から隣の高校で一緒に学びあってきた本間さんですが、いつまでも子どもにしっかりと寄り添っているのがステキです。お互いにいつの間にかベテランの年齢になってしまいました。講演では本間さんはこれまでに関わった3人の子どもの達の話をしながらヤングケアラーの話をしました。それぞれにめちゃくちゃ重たい事例ですが、2名の生徒さんとは今もつき合いが続いている本間さん。なかなか見えづらいヤングケアラーの存在。でも、本間さんはそうした生徒が健気だなと感じられるようになれば支援がしやすくなるといいます。司会の森下さんが「そうした子のSOSに気づくにはどうすれば良いのでしょう。」と質問すると、本間さんは「彼らは助けてとは言わないですね。そして、そうした子達は同じ感情を維持しないようにしているのでは無いか」と分析していました。すごく楽しいこと、幸せなことがあっても一瞬で覆るような経験を何度もしている。だから喜びも悲しみもすぐにリセットして持続させないようにセーブしているというのです。深いなあと思いました。

 そのあと、沢村さんがどのようにヤングケアラーの存在に気づき関わっているかを話されました。どうやってその存在に気づき、関わり、まわりの支援と繋げるのか。そして、その子だけでなくその家庭までどのように理解を深めるのか。特に強調されていたのが、切迫する命の危険がある場合を除き、その環境から急に切り離してもうまくはいかないということでした。本人の意思を尊重しながら、こちらの考えを伝え、合意をどう作るかは非常に時間がかかるということです。

 参加された若い養護教諭の先生が質問しました。「自分は養護教諭として生徒にどこまで関われば良いかと思っている。本間先生が理想だなと思う反面、そこまで生徒に関われるかというと難しい。本間先生はどのラインが養護教諭としてつきあっていて、どこからが個人としてつきあっているんですか?」という質問でした。本間先生は「私は卒業しても養護教諭であると思って付き合っている。だって、卒業したからと言って見捨てられないですから」と笑って言いました。元教員で町内会長をしている方は「仕事の中身の根っこに『人間とは何だ?』と考えないといけない。」と発言しました。本間さんも介護が必要な親が近所の町内会の人に支えられている事例を話し、子どもの足でいけるところに「うちの水道が出なくなったんだけどどうすればいいのでしょう」と困ったことを相談できるヘルプセンターがあるとイイですね。と話しました。

 深く学んだあとは交流会です。自分より若い先生しかいない状態は久しぶりでした。この地でしっかりと教育をしている組合員の仲間がいることが嬉しくなりました。そして、名寄駅の待合室のベンチには名寄産業高校の生徒さんが作ったらしい座布団がおいてありました。温かいおもてなしです。特急宗谷が40分遅れとなり、自宅に着いたときには日付が変わっていましたが、充実した一日でした。