名寄合研のあとの交流会で目の前の席に座ったのが名寄産業高校のK先生でした。そこでK先生は名寄市の高校統廃合について感じるところを話してくれました。

名寄地区の地域別検討協議会には2回出席しましたが、名寄市魅力化推進委員会がイニシアチブを取っているようでした。高校魅力化コーディネーターの方がよく発言されていますが、その話から感じ取れるのは、総合学科への転換をする中で、旭川に流出している大学進学ニーズの高い生徒をどう名寄高校で教育するかということです。道教委は魅力のある学校であれば生徒は集まるといっていますので、「新しい魅力を作ろう」ということに名寄市は積極的なようです。しかし、現在の生徒減は両校に魅力が無いから?なのでしょうか。ここで感じたのは、

①歴史の浅い名寄産業高校での教育・産業キャンパスをどう総括しているのか。

②総合学科への統合で双方の生徒・教員が納得できるか。

③仮に進学重視の生徒を囲い込めたとしても、将来その生徒達は名寄市に戻ってくるのか。

ということでした。

個人的には同じ町に2校の高校があることで名寄産業高校の生徒の自尊心は奪われているかもしれない。そうだとすると、名寄産業の生徒にとっては統合も悪いことではないかも・・・。とも思っていましたが、K先生の話を聞いて、自分の考えが間違えていたことに気づきました。K先生のクラスの生徒は統合を不安視しているというのです。これはボクは逆だと思っていました。どちらかといえば学習に困難を抱える生徒の多い高校が統合される場合、そうでない高校の不安が高まる傾向があるのではないかと思うからです。しかし、K先生のクラスの生徒さんたちは、名寄高校に進学した生徒には不快な思いを抱いていて、今の名寄産業高校では安心して生活・学習できていると言っているというのです。果たして新設校はそうしたニーズに答えられるのか。

名寄支部では工業棟が統合年度から遅れるという計画にも不安だという話をされていました。設備の伴わない状態で、果たして生徒は集まるのか?総合学科への転換がそれほど魅力を高めるのか。教育課程の編制をしながら事務的準備は間に合うのか?名寄高校のHPでは新しい学校つくりのために未来思考な会議がされている様子が紹介されています。これも否定するものではありませんが、まず統合に際して、生徒や教員の中に今ある不安感をしっかり聞き取り解消していく責任が名寄市や道教委にあるのではないでしょうか。子どもの声の届くこの会議を踏まえて2校の統合が決まったのでは無く、道教委と名寄市が統合を先に決めたのですから・・・。