教員から組合専従に転職?して4か月ちょい。ここまで一番力をいれて一生懸命に取り組んだのが、高校配置計画についてでした。1学年4~8クラスの学校を望ましい規模として、どんどん学級削減をし、地方の学校を統廃合する。教員の労働条件の改善を目指す労働組合としては断じて許せないことの一つです。
学級を減らすということは道教委にとっては教員を減らし人件費を抑制できる。さらには、地方の学校を統廃合をするという事は、道教委にとっては財政的負担を減らすだけの効果があるだけで、地方創生に最も反する行為なのです。だから、地方の自治体からは怒りの声が上がっています。さらには、我々教員にとっても、学級減の対応に追われて仕事が増えていく要因にもなるわけです。
これまで第2回地域別検討協議会8地域に参加し、傍聴として意見を述べ、道教委の管理運営についてアンケートにも厳しい意見を書き続けてきましたが、最後に「ゆきとどいた教育をすすめる北海道連絡会」の一員として、道教委担当者と直接意見交換をしました。
意見交換の中で肝となるのが、「新たな高校教育に関する指針」を見直すべきだという話です。その中心に添えられているのが「望ましい規模」が1学年4~8クラスだという事です。そもそも4~8クラスの学校が「望ましい規模」であるなんてなんの根拠もないわけです。統廃合の口実でしかない。しかし、これを追求すると道教委はなんていうかというと、『部活や受験など切磋琢磨して生徒が伸びるためにはある程度の学級規模が必要だ』というわけです。ボク自身も高校時代は部活は数少ない楽しいことの一つだったし、彼らも自分らの経験や、自分の子どものことを考えて、そう信じこむことにしているようです(笑)
話が指針の改定に差し掛かった時です。「望ましい規模を見直すことが必要ですよね」というと、案の定「やっぱり部活なんかでは保護者にも野球部なんかはあった方がいいと思うでしょうし、ある程度の規模は必要だと思っていますので、(見直し後も)4~8クラスはこれからも維持していくと思います」と答えました。
これは待ってましたとばかり、ボクは即答で突っ込みました。「それはそもそも学校の一番大事な授業自体がつまらないからですよ。一日6時間もある授業が充実したものなら、そんなに部活が楽しみだなんて声は起きないと思いますよ。ボクは地方で13年間勤務し、6時間誰も寝ないような学校づくりができた。その時に部活が少ないからこの学校はつまらないなんて声は出てきませんよ。」というと、これには道教委担当者も驚いたようでした。担当者も自分たちの切磋琢磨論を否定できる材料や意見を聞いたことが無かったのでしょう。たまらず「やっぱり授業ですよね~」と2人して言ったのです。これには勝ったと思いました。
そして、職場に戻り、意見交換のお礼とともに古平高校での実践(生徒の言葉)をメールに添付しました。するとすぐに担当者から返事がきました。一部紹介します。
『自分たちも教育委員会ですので、学校の間口を減らしたり学校を減らすことが好きなわけではありません。
本道の広域性や少子化が進む中、限られた財源しかなく厳しい状況ですが、それでも教育環境をいかに改善し、本当に高校に行って良かったという生徒をひとりでも多く増やすのが高校配置の仕事だと思っています。
そういう意味では、本日頂いた意見については、非常に参考になる部分も多く、開催できて良かったと思います。
先生からいただいた資料を拝見しました。私は教員ではありませんが、教え子から慕われるような職業は、すばらしいですね。うらやましく感じます。
配置計画は、できるだけ丁寧に説明をしながら、いろいろな意見も頂きながら、最善のやり方を模索したいと思っています。
今後ともよろしくお願いします。』
道教委担当者としても道の財務課との関係もあり、この意見交換をすぐに反映することができないでしょうけど、3か月間、がんがん意見をぶつけたボクに対して、こうした返答をしてくれたことは何らかの効果があったのではないかと自己満足しています。