大学での高校統廃合に関する講義(最終回)。

前半は「なぜ教職員組合の人間が統廃合政策を語れるのか」「労働組合とは何なのか」を話した。

そして、私たちの求める小規模校の維持と「少人数学級」のイメージを持ってもらうために、「小規模校の雰囲気」を紹介。授業後の感想には

 

  • 人と人のつながりがあったり、少人数制の良さを聞けて、教育のあり方を自分なりに考えることができました。
  • 一人一人に向き合っていて、いいなと思いました。

とあったのでまずまず成功。

その次は大規模校の授業を「コンビニ弁当」のような授業。小規模校での授業を「おふくろの味」としたボクは、特別サービスで「おふくろの味」を味わってもらった。

 

  • とても楽しい授業でした。時間があればお話してみたいと感じました。
  • 知らないことばかり知れて楽しかったです。ぼくにとって理想の授業です。
  • 受けていてワクワクする授業でした。
  • 「コンビニ弁当」みたいな授業という言葉を聞いて、本当にピンときました。たしかに、そのような先生が多いなか、「おふくろの味」のような授業が本当に大切なんだなと思いました。
  • 今までの授業の中で二人だけ楽しいと思う授業をしてくれる先生がいました。この話を聞いて、この二人の先生、「おふくろの味」の様な授業だったのかなと思いました。

 

 そして残りの時間は道教委の高校統廃合の基準と、大きく定員割れをすると小規模校に押しつけられる「魅力化」。その「魅力化」の切り札として打ち出している遠隔配信授業の課題と問題点、私たち教職員組合がどのように高校統廃合政策と対峙しているかを話した。

 道教委の「魅力化」は大きく2点。「有名大学にも進学できるカリキュラムの設置」と「地域との協働」だ。

 こんなふうに学生に語った。

 

 『遠隔配信授業が「夢は地元でつかみ取る」と「大学進学希望者」の受験ツールとして打ち出されていることは実に陳腐ではないでしょうか。「夢」ってなんだと改めて問いたいのです。皆さんも高校1年の時は教育産業の人が学校で講演して、「夢をつかみましょう」「夢を早く見つけましょう」などと言われなかったでしょうか。それって本当に夢だったと今思いますか?』

 

 というと、多くの学生はうなづいているように感じた。そして、経産省が教員をICTに置き換えようとしていることを紹介した。

 そして最後に一番言いたいことを伝えた。こうした道教委の政策に対して私たちは何をしているのかと言うことだ。一番伝えたかったのは「声を挙げる」ということ。地域別検討協議会等を通じて、多くの地域の方に我々の意見を伝えてきたことを話した。

 これに対して、こんなふうに感想を書いてくれた学生がいた。

 

  • 楽しく講義を受けることができました。声をあげて変えようと働かれている姿はかっこういいなと、あらためて思いました。ありがとうございます。

 

 そう思ってくれる若者がいるのがとても嬉しい。

 最近強く感じていることがある。それは一人の声をあげる人の背後にどれくらいの人がいるかと言うことだ。声をあげるには勇気がいるし、様々な事情があって声があげられない人がいる。まず第一に道教委の地域別検討協議会というやつは当事者の「生徒」が参加できない。これは子どもの権利条約「参加する権利 ・自由に意見を表したり、団体を作ったり、自由な活動を行えること」が守られていないと言えるのではないか。教育を受ける当事者の声が反映されないのだ。そして、教育をする当事者である教員も、私たち教職員組合も参加対象ではなく、会議で討論できず、傍聴者としての意見を述べることしかできない(校長は参加しているが、教員の代表ではなく、道教委の教育政策の宣伝をさせられるために参加しているように見受けられる)。こういう厳しい状況の中でも声をあげる人がいる。署名に応じてくれる人々がいる。講義に招いてくれた教授が言った。

「こうした声をあげる人がいることを実は教育行政の人も待っていたりするのです。」

声をあげること。そのこと無しに世の中は変わっていかない。(2023.5.23)

写真は最近の本部飯。1つだけ外食があるが、もらったウドで作ってもらった天ぷらうどん、ウドの炊き込みご飯、家でダッチオーブンで作った角煮と煮卵を「うどん」や「喜多方ラーメン」に入れて食べている。これもおふくろの味か・・・(笑)