ZOOMや会場に全道の支部や専門部から中央委員が集まり、中央委員会が行われました。
特別支援学校の過密化について生々しい話がありました。
「普通校は生徒数減少で閉校寸前、特別支援学校の生徒数はなぜ増えるのか。居場所が無く、音楽室、美術室、理科室を潰し、パソコン室も潰されていく、普通教室を分割する。何とか教室を確保する。フルサイズの体育館が無い。これもそのうち自由に使えなくなる。深刻なのはトイレ。バリアフリートイレは足りない。職員室も密。駐車場も足りず、芝生を剥がして場所を作る。事務長は奮闘しているが、特別支援学校全体の予算を奪い合っているだけである。給食は今は生徒全員に当たっている。しかし、教員が一緒に食べることも大事な教育だが、教員に当たるのは担任だけになった。やがては全員弁当になり、高等部の生徒が弁当になるかもしれない。」
校則についてはこんな発言がありました。
「名目上は制服に関して男女規定を外した。女子がスラックスは防寒対策だったりしたが、男子がスカートをはくのは抵抗があるのでは無いか。配慮するならユニセックスを考えないといけない。文言上変えていることが生徒のためになっているのかは考えないといけない。文科省の生徒指導提要には学校の教育目標に合わせて、生徒も納得した形で、と書いてあるが、なかなか現場、特に教員の意識に浸透しない。生徒を管理している意識がある。言うことを聞かなくなるという生徒を主権者として見ずに管理対象として見ていることはハードルが高い。教員で見方を変えていけるようにしたい。」
「以前より校則について生徒が発言するようになった。授業の中で山口二郎の評論で、丸刈りの強制について、人間の尊厳を守るには新たなルールを作るのが不可欠。人間の尊厳を守られないルールとは何だと生徒に書かせたら「男子の髪の長さ」「服装検査はハラスメント」「ルールを一部変えたい」などと記入した。生徒会も着手しているが教員の意識が追いついて行っていない。Youtuberなどの発言を子どもたちは見ている。校則の問題が学校が変わるきっかけになればいい、生徒が変えていくきっかけになればイイと思っている。」
大きく学校が動いています。コロナが時代を進め、価値観が大きく揺らいできていることを感じます。
生徒が生徒にしか分からない特別な事情があってもなかなか休めない、早退させてもらえない現状が報告され、こんな話がありました。
「学校は変な常識がまかり通っている。部活はなおさらだ。部活を休むと言ったら、チームのことを考えているのかと言われることも少なくないだろう。昔、阪神のランディ・バースが息子の水頭症の手術でアメリカに帰ったことがあった。あの当時はバースが職場放棄をすると捉えて日本人には理解できなかった。今の日本なら理解ができるだろう。学校は子どもが生きていて、子どものことを正面から受け止めていける場でありたいし、職場でありたいし、(学校の常識に片寄らず)生徒の言葉に対して瞬時に判断できる教員でありたい。配信の授業もずいぶん行われたが、リアルの授業で生身の生徒がいるときに、画面の向こうにやることと同じではいけない。来る価値のある学校とはなんなのか。来る価値のある授業は?私はグレタさんのスピーチを英語で教材化した。生徒は興味を持った。世界のリアルとつながること。BTS、大阪なおみ などを取り上げた。そんなことを訴えることはやりがいあるし、生徒も聞いてくれる。教師の醍醐味は生徒の本音に触れること。既定路線に乗らずに、生身のつき合いがしたい。そうでないと学校の意味が分からない学校になってしまう。」
いい話ですね。タイガースファンのボクはバースの話にうなりました。新庄の日ハム監督就任も期待しています。
それはさておき、他にもBYODやICT問題についても激論が交わされました。とても重たい課題です。道教委はどれくらい現場や家庭の困難を認識しているのでしょうか。
さて、今回の討論をテキストマイニングしてみました。道教委が喜びそうなICTの使い方です。この図だけを見たらどんな討論に見えるのでしょう。分会活動を軸に、生徒・教員のためになることを道教委に訴えようということでしょうか。