農業科や看護科など寄宿舎(遠隔者寮や教育寮)を設置している高校で、教職員が勤務終了後に寄宿舎において宿直業務を行ったり、土日祝日に日直業務を行っている実態があります。これら宿日直業務は、賃金・労働時間のカウントで非常に優遇された制度であるため、民間では労働基準監督署の厳しい許可基準(「断続的業務=ほとんど労働する必要のない勤務」のみを認める等)が定められています。しかし、高校の宿日直業務は、道教委による不適切な業務実態把握と判断のもと実施されているため、連続35時間にも及ぶ違法な過密労働となっている実態があります。

 道高教組の強い要求により、道教委はようやく重い腰を上げ、宿日直にあたる教職員の業務実態の把握に動きだしました。さらに詳細で正確な状況や、要求を拾い上げるため、道高教組も2016年6月~8月にかけ独自のアンケート調査を実施し、寄宿舎が設置されている7校(105名)からの回答が寄せられました。

 アンケートからは、「宿直業務の半分は清掃指導や生活指導など、教職員としての本来業務が行われている」「85%もの教職員には断続的業務についての説明もされていない」「4割以上が労基法通達が守られていないと回答」「5割以上が十分な睡眠時間が確保されていないと回答」「9割が翌日の勤務や体調に影響を及ぼすと回答」など、違法・不適切な勤務実態が改めて明らかになりました。また、「ストレスがたまって耐えられない」「妻や子どもたちにも負担をかけている」「危険を伴う実習において、寝不足で危険に陥ったことが多々ある」「現状のまま推移するには、もうすでに限界を超えている」「現状を放置して学力向上、超勤縮減などできるはずがない」「宿直業務を完全になくしてほしい」など、宿日直業務に係るさまざまな問題を早急に解決してほしいという切実な声、悲痛な叫びが寄せられています。

 アンケート結果をもとに、違法実態を放置し続けている道教委の責任をさらに追及し、具体的な労働環境改善に向け、道高教組は引き続きとりくみを行っていきます。アンケートにご協力いただいた教職員のみなさまに、この場を借りてお礼を申し上げます。

2016宿直業務・日直業務における勤務実態アンケートのまとめ