2006年、国連総会で採択された「障害者権利条約」は、障害のある人の尊厳と権利を保障するもので、21世紀に入ってつくられた画期的な人権条約です。我が国でもようやく2014年2月に条約が発効しました。しかし、国内法の整備にはまだ不十分なところがあり、今後の検討が待たれています。
 2011年、国は「障害者基本法」を大幅に改正し、障がい者の権利保障にとって大きな一歩を踏み出すことになりました。その後、2013年6月に公布された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」は、障がい者制度改革推進会議差別禁止部会の議論を反映しておらず、障がいを理由とする差別の内容も、具体性もない不十分なものと言えますが、2016年4月から施行されまました。
 北海道では、2009年に「北海道障がい者条例」を制定しています。しかし、「障がい者の権利を最大限尊重」(第1条、下線作成者)というような不十分な内容です。また、「障がい児の希望などに応じた教育及び保育が受けられるようにすること」(第15条)という条文に関わって、「高等部の在り方に関する報告」で学校や学科の設置の在り方について、一定の改革が行われつつあります。しかし、改革に関する先行きの見通しがつかず、現場段階では具体的な対応について苦慮している状況です。

 以上のような背景を受け、私たちは障がい児教育に携わるものとしての考え方と、北海道教育委員会に対しての要望を明らかにし、北海道の障がい児教育の充実・発展のための声明とするものです。

*声明の全文は以下よりダウンロードできます。

北海道の障がい児教育の充実・発展のために