【談話】会審議入りに抗議するとともに、廃案をめざすたたかいに全力をあげます
自民党と公明党は4月6日、国民の思想や内心を処罰の対象とする共謀罪法案を「組織犯罪処罰法改正案」と名称を変え、衆議院での審議入りを強行しました。提出された共謀罪法案は、内心の自由の侵害につながる憲法違反の法律であるだけでなく、安倍政権がすすめる「戦争する国づくり」の一環であり、今国会での審議入りに強く抗議するものです。
安倍政権は2013年12月に秘密保護法、2015年9月に「戦争法」を強行成立させました。さらに昨年6月には刑事訴訟法の改正によって盗聴法を拡大し、司法取引等を新設しました。今回提案された共謀罪は、これらの法改正の総仕上げであり、「戦争する国づくり」をよりいっそうすすめるものです。
この間、国会の論戦や市民団体の宣伝行動、一部のマスコミの報道などで共謀罪の内容と背景がより明らかになってきています。「国際組織犯罪防止条約を批准するため」「オリンピック開催には絶対必要」等の政府の説明に根拠がなく、捜査権限拡大による人権侵害や、運動を弾圧するために悪用される危険性があり、思想弾圧、密告社会への恐れが広がってきています。首相が「一般の方々が対象になることはありえない」と声高に述べていたにも関わらず、法案を担当する法務大臣が「普通の団体が性質を一変させた場合は、組織的犯罪集団として処罰対象になりうる」と認め、捜査当局の判断一つで犯罪集団と認定されることも明らかになっています。
全教はこの間、共謀罪の危険性を学び創設阻止をめざす学習会や集会を全国で開催するとともに、「共謀罪の創設に反対する緊急統一署名」に積極的にとりくんできました。共謀罪について知れば知るほど、市民の運動や教職員組合の活動だけでなく、教育活動そのものを委縮させ、教育の自由を奪うことにもつながるという危機感が広がっています。世論調査でも「共謀罪の導入に反対」が「賛成」を上回る結果も出ています。
私たちは、共謀罪法案の国会審議入りに抗議するとともに、教え子を戦場に送ることにつながる共謀罪法案の廃案をめざすたたかいに、全力を尽くします。
2017年4月6日 全日本教職員組合(全教) 書記長 小畑 雅子
「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の統一署名は、こちら
※Change.orgでのネット署名は、こちら (ネット署名は制度上、総理大臣あてのみ有効となりますので、官邸提出分として取り扱います)