IMG_6523 3月4-5日、札幌市内において第119回定期大会を開催しました。開会にあたって、國田委員長があいさつし、「47教育基本法では日本国憲法の理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものであるとして、憲法を十分に学ぶこと、不当な支配に服することがないよう謳っている。子どもたちと真理真実を追求して、主権者としての自覚を育み、ともに憲法に謳われた理想の実現に向けて、不断の努力を重ねることが私たち教職員に求められている」と呼びかけました。

 その後、大会スローガン、「教え子を再び戦場に送るな! 憲法改悪反対! 平和を守り、憲法をいかす政治と社会の実現を!」などのもと、2016年度のたたかいを総括するとともに、2017年度の運動方針について議論を交わしました。「教え子を再び戦場に送るなのスローガンのもと、憲法を守り、いかすたたかいをすすめる」「連帯と助け合いの職場づくり、組織の強化・拡大と職場活動の活性化をめざす」「憲法と教育の条理に立脚した、子どもの”いま”からはじめる学校づくりをめざす」などを掲げた2017年度の運動方針や、予算案などを満場一致で決定しました。

 最後に、日本国憲法の理想の実現、教育の自主性と研究の自由をまもり、父母、道民とともに民主教育を確立することをめざす決意を固め合い、「憲法施行70年、一人ひとりが大切にされる学校・社会をめざし、憲法を日々の生活にいかしていきましょう」と大会アピールを採択し、たたかいの先頭に立つ2017年度役員を選出し、終了しました。

119大会委員長あいさつ

道高教組第119回定期大会アピール

道高教組第119回定期大会アピール ~ 憲法施行70年、一人ひとりが大切にされる学校・社会をめざし憲法を日々の生活に活かしましょう~   本日、道高教組は第119回定期大会において、2017年度運動方針を確立しました。ますます深刻化する貧困と格差の広がり、「学力テスト」や受験競争の激化など、子どもたちをとりまく状況は厳しさを増しています。教職員は、超勤多忙のなか、命を削り健康を犠牲にしながら、子どもたちに寄り添い、成長・発達を支えています。こうした厳しい状況を顧みようとせず、「人格の完成」という教育本来の目的を逸脱し、子ども、保護者、教職員をいっそう過酷な状況ヘと追い込む安倍「教育再生」がおしすすめられています。「共謀罪」の制定、明文改憲もねらわれ、原発推進、南スーダンへの自衛隊PKO派兵、辺野古新基地・オスプレイパッドの建設など国民の命や生活、人権が脅かされています。私たち道高教組は結成以来、自由と平和、民主主義をまもり、「教え子を再び戦場に送るな」の誓いのもと、子ども・青年の明るい未来をきりひらくために運動を続けてきました。今大会の討論では、一人ひとりを大切にした学校と社会づくりのため、粘り強くとりくむ教職員の実践が豊かに語られました。

道民のみなさん 長年積み重ねてきた私たちの教育条件整備の運動に後押しされ、地方自治体では、独自の教育支援策が少しずつ広がってきました。こうした動きに後押しされ、国は2018年度から給付型奨学金の創設に踏み出そうとしています。深刻化している子どもの貧困に対応するにはあまりに限定的で、いっそうの拡充が必要です。日本は、国際社会において教育費の公的支出の割合が最低ランクであり、経済格差が教育格差に直結していきます。誰もが安心して学ぶことができる教育、権利としての教育にするため、教育予算の抜本的組みかえ、もしくは大幅な教育予算の増額を求めていきましよう。

道民のみなさん 次期学習指尊要領改訂に向けて検討がすすめられています。安倍政権の“人づくり”政策を背景に、国や経済界が求める「資質・能力」を出発点とし、「戦争する国」「世界で一番企業が活躍しやすい国」を支える人材育成を教育に求め、教育ヘの統制を強める内容です。教育は、子どもたちの「いま」や地域社会の実状からつくりあげていくもので、国や財界の求めに応じた「人材」に仕立てるものではありません。学校は「楽しさ」「喜び」「共感」をエネルギーにしながら、子どもを主人公に、保護者、教職員、地域の共同でつくっていくものです。子どもたちの笑顔あふれる自主的な学校づくりを、ともにすすめていきましょう。

道民のみなさん 「命より大切な仕事はない」。愛娘を過労自殺で亡くした母親が、無念の思いを語った言葉です。「ブラック企業」という言葉が広がるなか、長時間労働や残業代の不払いなど劣悪な労働環境のもとで追い詰められる労働者が増えています。精神疾患や病休者、離職者の増加など、私たち教職員も心身に大きな負荷を負いながら働いています。長時間労働を解消し、全ての労働者の働き方を見直し、誰もが人間らしく働くためのルール確立に向け、ともに運動を広げましよう。

道民のみなさん 憲法施行70年、憲法改悪と一体に「戦争する国」へすすむのか、それとも憲法を守り活かし、一人ひとりが大切にされる学校・社会を築くのか、私たちは、まさにその岐路に立っています。憲法12条は、私たち一人ひとりが、憲法の理念に基づき、権利や自由を主張し行使することを「不断の努カ」として求めています。私たち道高教組は、日本国憲法の理想の実現、教育の自主性と研究の自由をまもり、保護者、道民とともに民主教育を確立することをめざしています。一人ひとりが日々の生活に憲法を活かしながら、憲法と子どもの権利条約が生きて輝く社会を実現するために、ともに歩みをすすめていきましょう。

2017年3月5日 北海道高等学校教職員組合連合会第119回定期大会