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北海道の高校教育を : 北海道教育推進計画「改訂原案」について
投稿者: honbu 投稿日時: 2012-11-07 17:17:13 (1423 ヒット)

「憲法」「平和」の文字がない教育推進計画
道高教組が批判見解
道教委は平成20年に策定された北海道教育推進計画の「改訂原案」を9月末に発表。原案に対する意見募集を行っていましたが、その締め切りが8日に迫っています。http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/ksk/kaiteipabukome.htm
道高教組は、憲法や子どもの権利条約・教育基本法に定められた国民の基本的人権、子どもの学習権・成長発達の保障、教育の自由の尊重、教育への不当な支配・介入の禁止等、教育上の諸原則を尊重する姿勢が欠如した「改定原案」に対し、総論以下の意見を表明、40の「施策項目」各項に対しても批判見解を表明しました。
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北海道教育推進計画「改定原案」への道高教組の意見
1.憲法・子どもの権利条約・教育基本法に定められた、国民の基本的人権、子どもの学習権・成長発達の保障、教育の自由の尊重、教育への不当な支配・介入の禁止等、教育上の諸原則を尊重する姿勢が欠如している。
「教育基本法17条」に規定される「教育振興計画」と位置付けられているにも関わらず、教育基本法前文「日本国憲法に則り」という部分や同第1条(教育の目的)「教育は人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない」という重要な部分が、まったく反映されず、無視されている。「日本国憲法」「平和」「民主的」という文言は全編を通じ一言もない。教育政策策定の基本姿勢として、憲法や子どもの権利条約にもとづき、教育を国民・子どもの権利としてとらえ、教育行政はそのための条件整備を行うという視点の欠如は重大な問題である。

2.その一方で、教育基本法の「改定」され、新たに付加された部分については随所で強調されている。
第2条(教育の目標)にいう「豊かな情操と道徳心」「自律の精神」「公共の精神」「伝統と文化の尊重」「我が国の郷土を愛する心」、第6条にいう「学校生活を営む上で必要な精神を重んずる」、第10条にいう「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する」などは、「現状と認識」「基本理念」「基本方向」いずれにも色濃く反映され具体化されている。これらの項目は、いずれも教育への国家的介入、管理統制の強化として批判ある項目であり、まさに、改悪教育基本法の具体化を北海道において推し進める内容となっており、看過できないものである。

3.計画策定の基礎となる、教育の現状及び課題の認識に問題がある。子どもたちの置かれている困難な状況に対し、それをもたらしている社会的原因を究明しようとする姿勢が見られない。たとえば、日本政府に対し2010年6月に出された「国連子どもの権利委員会第3回最終所見」は、現在の日本の教育をめぐる情勢、その社会的背景に触れ、子どもたちに困難をもたらしている原因について詳細かつ根本的に指摘し、あわせてその解決の方向も示している。にもかかわらず、このことがまったく参考にもされず、斟酌もされていない。あわせて、国及び道のこの間の教育政策が何をもたらしてきたかの検証も反省もない。このような認識にもとづいて、現状を把握し、課題を設定し、その解決のための施策を講じようとしても、根本的な問題の解決にならないことは明白である。

1.「学力等の状況」▼ ・全国学力・学習状況調査(以下「学テ」)の調査結果と全国状況との数値比較によって「深刻な状況」とするのは不適当。「確かな学力の育成に向けた取り組みを総合的に進める必要」とあるが、全国学力・学習状況調査は「確かな学力」の指標たりうるかの検証が不可欠。そもそも「学力」とは何か、についての教育学的総合的検証をすすめるべき。▼2.「生活習慣の状況」▼ ・朝食の摂取、睡眠状況の改善については、なぜ子どもたちが朝食が摂れず、睡眠が不規則なのかの社会的背景と原因を探り、それを改善する条件整備の方向を示すべき。それ抜きに、「家庭」に指導を押しつけることは、家庭への「自己責任」の押しつけに他ならず、行政の責任放棄である。▼3.「規範意識等」▼ ・「学テ」の調査結果で現状をとらえるのは不適当。「学校の規則やきまり」「家庭のきまり」を守ることや守らせることが「規範意識」「倫理観」の育成につながるというとらえ方はあまりに短絡的。▼人間が社会的存在として、社会生活を営む上で必要とされる規範や倫理感とはどのようなものかを、自ら考えていく力を育てるという視点が不可欠。子どもの権利条約に保障される「意見表明権」への言及がないことも致命的。▼4.「児童・生徒の問題行動等」▼ ・不登校を問題行動に含めるのは不見識。また、いじめを「人間として絶対に許されない」ものとするだけでは不十分。子どもたち一人一人が「人間として大切にされる」学校と社会をどうつくるのかという視点や展望が不可欠。さらに、いじめ解消には、教職員・保護者・行政とのすべてをオープンにした応答的関係と協力・協同が不可欠にもかかわらず、それにまったく言及していないのは問題。▼5.「職業観・勤労観」▼ ・ニート、フリーターが多い状況を、社会全体の閉塞感と「若者の精神的・社会的自立が遅れ、社会の一員として、定職に就いて働くという意識が希薄化している」ところに原因を求めているのは大きな問題。若者・青年の雇用状況の深刻さは、明らかに新自由主義的経済政策の結果、非正規雇用の拡大、労働条件の悪化、雇用そのものの減少などが原因なのであり、それをあたかも若者・青年の自己責任であるかのように記述することは許されない。また、早期離職の原因を「ミスマッチ」や「職業観・勤労観の未成熟」に求めることも同様である。「労働者としての権利」や「人間らしい労働」という観点を欠き、ひたすら企業の求める「都合のいい人材」の育成を目指す、キャリア教育や就職支援政策の提唱となっていることは大問題。▼6.「高等学校の配置」▼ ・「新たな高校教育に関する指針」の見直しを求める声が地域から大きく上がっているにもかかわらず、まったく顧慮されていないことは問題。▼7.「安心・安全の確保」▼ ・東日本大震災の教訓が、まったく生かされていない。とりわけ、学校の安心・安全の確保のためのの職種ごとの人員の配置を含む条件整備に、耐震化以外に触れられていないのは問題。
また、福島原発事故への言及がないことはきわめて問題。原発と安全確保は国民的課題であり、
将来の日本のあり方を左右する大問題である。放射線から子どもたちを守るという観点からの記述は絶対に必要である。
8.「情報化の進展」
・情報通信の発展を無批判に肯定している。否定的側面を認識し、人権保護との関連で情報技術とどう向き合うべきかの記述が必要であり、「情報モラル教育の重視」だけでは不十分。「教職員の校務負担の軽減」のための情報技術活用が重要という認識は事実に反している。
9.「グローバル化の進展」
・対応として「社会全体の変化や新たな価値を創造し主導するような人材」「社会の各分野を牽引するような人材」「国際舞台で先導的に活躍できる人材の育成」をあげているが、これは、財界がいう「国際競争を勝ち抜く人材の育成」にほかならない。将来の北海道という地域・地方の主体的担い手の育成という視点が欠如している。「グローバル化に対応できる人材の育成とは、地方にとっては人材の中央流出を意味するにすぎない」という中教審の議論に耳を傾けるべきである。

北海道教育ビジョン 基本理念 基本目標 基本方向
1.基本理念について▼ 基本理念として「自立」と「共生」が掲げられているが、いずれも「自助」「共助」の考え方と結び付けられ、結果的に「自己責任」に収斂されていくものである。「自立」理念の実現のために行政としてなすべき条件整備、「共生」理念の実現のために行政としてなすべき条件整備という観点があるならまだしもそれすらうかがえない。▼ その根本原因は、教育を通じて実現すべき将来の社会のありようが理念としてまったく示されていないところにある。当然、憲法や教育基本法で示されている、「平和で民主的な社会の実現」という理念があるべきだが、それが慎重に排除され、「どんな社会でも対応できる人材の育成」というものに置き換わっている。また、「人材」という語は頻出しても「個人」という語はほとんど出てこない。これは、憲法上からも、国際基準からも要請される教育の崇高な理念のいちじるしい後退である。▼ ぜひとも基本理念の中心に、憲法、教育基本法1条、子ども権利条約、教員の地位勧告などの精神、理念を据えるべきことを意見として表明する。▼▼2.基本目標、基本方向について▼ 第3章「施策項目」で具体的に展開されているので、そちらの項目での意見を参照されたい。

 

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